「やれやれ、新宿という街はいつ来ても、好きにはなれませんねぇ・・・。」
::彼が新宿を嫌う理由::
赤屍は仕事帰りだった。
「さて今日は何処に食べていきましょうか・・・v」
うきうきフードライフをエンジョイしようとした時、後ろから声をかけられた。
「もしもしお兄さん。猫はお好き?」
「・・・ええ。好きですがv」
振り返りながら答えると――。
そこには化け物。
いや、まるでクレヨンで顔をぐちゃぐちゃにしたようなバービー人形がいた。
「(・・・・・・敵か?)」
「それは良かった。私キティっていうの〜〜☆」
「キティ?」
ファッションピンクのてかてかした際どいドレス。ペンキのような白いファンデ。瞼の上に紫。チークの橙色が各々激しく顔の中で自己主張していて、目がチカチカする。
「(こんな毒々しい子猫は、見たことないのですが・・・。)」
その時。
バービー、もといキティちゃんの後ろから、どっと多数の人影が現れた。
瞬く間に囲みこまれる屍。
「いやん。だめよ!キティちゃん抜け駆けは〜」
「きゃあ!この人超かっこいいわぁ〜」
「背高い〜。腰細〜!」
「髪だって、サラサラよぉ!」
「色が白いのに、青ヒゲになってな〜い!」
「羨ましい〜!」
「抱かれた〜い!!」
「「「「「きやーvv」」」」」
「(騒々しい・・・)」
赤屍蔵人は辟易した。
さしもの彼もこの手のこのハイテンションさと、視神経の攻撃には慣れてなかった。
「彼ってすごく巧そうじゃない?」
「テクニシャン。絶対テクニシャン」
「私。彼なら上でも下でもどっちでもいいわ〜」
「「「「私も〜vv」」」」
「・・・・・・。」
赤屍蔵人は不機嫌になった。
人の輪(オカマの輪)から去ろうとする。しかし、がっしりとキティちゃんに肩をつかまれる。
「うん。もうそんな急がないでv」
「はっ?」
「せっかちさんね☆」
「はっ?」
「そんなに心配しなくても、私が全部・・・ね?」
「はっ?」
ぐいっと腕をとられる。赤屍は勝手に体を触られて、最高に気分を悪くした。捕まれた腕を解こうとする。
「(・・・!!・・・解けない!?馬鹿な・・・!!)」。
「ネコ好きな貴方と私。運命の夜になりそうよねv」
あの時。
何故自分はメスをだしてコマギレにしてやらなかったのか。曲がりなりにも女性の格好をしている連中を切り刻むのが忍びなかったのか。はたまた、あんなものを自分のメスで切り刻むのが嫌だったのか・・・。
過去を振り返っている今をしても何故なのかわからない。
こうして。
赤屍蔵人は人生の汚点を手に入れた。
愛と欲望の街。新宿二丁目で。
副タイトルは屍さんと崖。
屍は新宿嫌い→二丁目でなんかあった(氷野公式)
彼はこういう方々にモテそうだ。顔的に。
このネタは後々ひっぱる。ハズ。
つうか。つまんねぇなコレ(埋まれ)